Sweet Life
「馬鹿だな」
そっと抱き寄せて頭を撫でて
「あれはだな、竹田先生がちょっと酔っ払って…俺だけが帰る方向が同じだった から送って行っただけだ」
「……」
「疑うのか?」
私の顔を両手で挟んで上げさせる。
涙を親指で拭い
「菜摘」
「で、でも竹田先生…あんなに樹に」
「竹田先生が抱きついてきただけだ。俺が抱いた訳じゃない」
「でも」
「ん?信じないのか」
「そうかも知れないけど…」
「ん?」
「竹田先生…素直に樹を帰してくれたの?引き留めなかったの?」
樹が「はぁ~」と溜め息をついて
「ふらふらだったから家の前までは送った。確かに…ちょっと寄らないかと誘わ れたが」
「やっぱり誘われたの?」
うんざりとしたように眉間にシワが。