Sweet Life
「はっ?何が嫌なんだ?お前まさか受験が嫌だとか」
「ち、違うよ」
私、声に出してたのね。
「樹」
「ん?」
「私…頑張るからね」
「はっ?」
きょとんとした顔で私を見つめている。
「うん。受験頑張る。ちゃんと大学に受かるから。離婚なんかしないんだから」
「は、はぁ?離婚って…お前」
「だから受かるから。お父さんとの約束守るから。私も樹もバツイチなんかにな らないから」
「……菜摘」
「うん?」
「フッ そうだな。頑張れ!俺をバツイチにしてくれるな」
「うん。絶対にしないから!」
目力強く握り拳を突き上げると
「よしよし」とばかりにまた頭を撫でら れた。
何か…馬鹿にされた?
樹の顔を見ると優しく微笑んでくれてるから…ま、いいか。