Sweet Life
「もう一つの条件は」
もう一個あったのね。
もう何を言われても驚かないわ。
「私達も3月の末にはイギリスに行く。だから今すぐには無理だが夏休みでもいいからイギリスに来て結婚式を挙げてほしい」
えっ?結婚式を?
「菜摘は高校生だし樹君も同じ学校の教師だ。だからこの辺で式を挙げるのは無理だろ。樹君」
「はい」
「やはり学校には内緒なんだろ」
「はい。申し訳ありませんが菜摘が卒業するまでは。ただ理事長にだけは報告します」
理事長先生に?
「大丈夫なのかね?」
「お父さん達が賛成で事情が事情なんだし。ま、理事長はうちの祖父さんの友達ですから。何とかなると思います」
さすが…悪知恵は働くのね。
私の視線を感じたのか睨まれた。
考えてたことバレたのね。
「樹君のご両親は大丈夫なのか?」
あ、そうよ。
やっぱり樹のご両親にも賛成してもらいたいわよ。
「大丈夫です。昨日に連絡しました」
へっ?
「うちの親も今はカナダにいるので」
へぇ~そうなんだ。
「事情を話したら分かってくれました。夏の結婚式には来てくれると思います」
「そうか。それなら安心だ」
何だか私に関係なく話しがドンドン進んで行く。