Sweet Life
ピンポンピンポン
あ、誰か
インターホンで
「はい」
「菜摘」
「た、樹」
「開けろ」
「あ、うん」
ガチャッ!
樹が入って来て
「はぁ~お前、心配すんだろ」
「えっ?」
「起きたら隣にいないし何処にもいない。携帯掛けたらベッドサイドで鳴ってるし」
あ、携帯忘れてた。
「ん?何で此処に」
「……」
樹と視線が会わせられない。
「菜摘」
顎に手を掛けて目を合わせ
「…嫌だったか?」
「えっ?」
何が?
「夕べ…抱いたのが」
何だか切なそう。
何で樹がこんな顔すんの?
「嫌じゃなかったよ」
「ん?じゃあ」
「は、恥ずかしかったの」
「はぁ?」
驚いている。
「だ、だって…」
上手く言えない。
思いはあるのに言葉にならない。
「ゆっくりでいいから。自分の思うことを言ってみ」