Sweet Life
「初めてだったから」
「ん」
「樹…嫌じゃなかった?」
「は、はぁ?」
珍しく眼鏡を外した樹の顔が…心底ビックリしている。
「だ、だからね、私には…は、初めてのことばかりで…よく分からないし…かなり煩かったみたいだし…呆れなかった?嫌にならなかった?」
「お前は馬鹿か」
「えっ?」
おでこをつつかれ
「それで俺と顔を合わすのが恥ずかしくて此処に逃げ出したのか」
「……」
「菜摘」
「……」
「お前が手慣れてた方が怖いわ」
「えっ?」
「初めから手慣れてる方が変だろ。お前のファーストキスも俺なんだぞ。その時、お前がガチガチ震えていたのを知ってる。初めてディープキスした時のお前の狼狽えぶりを知ってる。初めて胸に触った時のお前のパニックも知ってる。そんなお前がsexの時だけ手慣れてたらドン引きだろ」
「……」
「あれでいいんだから。あれがお前の素の反応なんだだから。誰も呆れないし、嫌になんてなるわけないだろ」
「ほ、ほんと?」
「あ~慣れてる癖に初めてですって態度する奴もいるくらいだ」
えっ?