Sweet Life



車を降りて湖の畔を歩く。


ここで去年の夏に樹に『好きだ』って言われたんだよね。


初めてキスしたんだよ。


あれから色々あって今は樹の奥さん。


樹の腕に腕を絡ませて


「ん?」


「樹」


「……」


「も、もしね、杉下君が…私のことを その…好きだとしても」


「……」


見下ろしてる目が怖いんですけど。


「私は…樹だけだからね。私が好きなのは樹一人だから。他の人の入り込む場所はないから」


「……」


「だ、だからヤキモチ…ゥゥン」


いきなり抱きしめられて唇を


こ、こんな所で…



もし誰かに見られたら…


何とか離れようと暴れてみても尚更力一杯抱きしめられて…


樹の舌が私の口内に…


私の舌をつついて…

絡めて…


また頭がぼぉ~としてきて、何だかフワフワ感


樹の手は髪を背中を優しく撫でている。


――





唇が離れ


「お前、そんな顔 誰にも見せんなよ」


「へっ?」


そんな顔って…どんな顔?



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