てがみ～未来への約束～

自分の部署へと着くと、

深呼吸をしてからドアを開けた。

「おはようございま……」

「おはよ、つ・ぐ・み・ちゃん！」

「！」

挨拶を言い終わらないうちに、

今、一番会いたくない人の顔を

ドアップで見てしまった。

にっこりと

満面の笑みを浮かべた羽村さんは、

私にそう言うなり

慣れた手つきで肩を抱いてくる。

「や、やめてください！」

顔を真っ赤にしながら必死に抵抗する。

でもそれは、

羽村さんにとって逆効果だったようだ。

必要以上に

ねっとりとくっつく羽村さんが、

にやにやと笑いながら口を開いた。

「恥ずかしがらなくて良いんだよ。

　ね、愛しのつぐみちゃん」