てがみ~未来への約束~
ぼうっとしながら、

最寄り駅までの道をゆっくり歩く。


ツバキさんの顔がふと頭をよぎる。


一癖ありそうなツバキさんの元で、

わたしはこれから

ちゃんとやっていけるのかな。


確かに私は

ツバキさんの言う通り、

すごい美人でもないし取り柄もない。


なのに華やかな受付へ

配属されてしまった。


ツバキさんがいい顔するはずない。


「はぁ……」


無意識に私の口からため息が漏れる。


「ため息なんかついちゃって、

 なんか嫌なことされちゃった?」


その聞きなれた声に、

私は思わず顔をあげてしまった。





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