てがみ~未来への約束~
戸惑う私を楽しむように、

羽村さんはにっこりと笑って

私の手をがっしりと掴んだ。


「俺の一番大事な“荷物”。

 本当に大阪に連れていくよ」


「!!!」


さっきの「連れて行っちゃいたい」

ていう言葉、

てっきり冗談だと思ってた。


でもそれは、違うってこと?


冗談じゃない、の?


がっしり握りしめた手を、

羽村さんは引き寄せようとする。


羽村さんの目は、

さっきとは違って真剣なものだった。






< 222 / 274 >

この作品をシェア

pagetop