Sweet Life(番外編)
「おい大丈夫か?」
心配そうな声に目を開けると
「あ、あれ」
「痛くないか?」
「へっ?」
「二階から植木鉢が堕ちて、お前の頭に当たった。まぁ、瀬戸物じゃなくプラスチックの鉢だったから酷い怪我にはならなかったがお前気絶して救急車で」
「此処は」
「病院」
「ベガスは?」
「はぁ?」
「カジノは?結婚式は?ジャックポットは?一億は?」
「だ、大丈夫か?」
「わ、私のダーリンは?金髪碧眼の日本語ペラペラのダーリンは?」
「阿呆か!お前の旦那は俺だろ」
「へっ?だ、だって貴方はどSの数学教師」
「ん?」
いや、何か顔が怖い。
「旦那の顔を忘れてあろうことか金髪碧眼と浮気か!それに俺はどSの教師か?」
――
―
お、思い出してしまった。
私のダーリンは金髪碧眼じゃなく学校一厳しい無愛想などSの数学教師
「今晩」
ビ、ビクッ
「徹夜な」
「……」
「阿呆なこと考えないようにみっちりお勉強な」
「……」
また長い夜が始まる。
*END*