結ばれた夜

誘われるまま、食事をして、お酒を飲んで。


シティホテルのドアの前。
一瞬立ち止まる。



「怖じ気づいた?」



意地悪く囁く口元がニヤリと弧を描く。



「ぜんぜん」



こんな時にも、勝ち気な性格が顔を出す。



部屋に入ると、強引に口唇を奪われた。

だけどそれは、優しく、深く。まるで、愛しい人に口づけるように。
頬を包む長い指に、愛されてるような錯覚にさえ陥った。




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