114歳の美女
 (結婚して子を生まん。110年以上生きていても、精神面は小娘のままや。男と女が一緒に暮らして子を作らん。ふん、この子は男を知らな過ぎる。男という動物が、どんなに繁殖欲旺盛なオスであるか、何にも知らんくせに。ときのあほが)


 吉のが心の中でときを詰った。
 
 「星田とかいう男が、何であんたに近付いたか知ってるか」
 
 「何でどすか」
 

 「あんたの臍の緒が欲しいからや。ただ、それだけや」
 

 「臍の緒?何の為にどすか」

 「遺伝子検査をしたいから、あんたに内緒で探して欲しいやと。あんたが本人かどうか、確認する言うてな。厚かましいにも程がある」

 「うちに内緒で本人確認・・・」


 「明治2×年生まれのあんたを、本人とは思えんらしい。あてが何度本人に間違いない、と言うても信用せんのや」


 「本当どすか」


 「ああ、嘘や思うのやったら、あの星田とか言う男に聞いてみなはれ」


 ときは星田に失望した。





 
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