114歳の美女
 「はい、ときどす」


 ときが電話に出た。

 「星田です。先日は、何度もお見舞い頂いて本当にありがとうございました」

 「いいえぇ。足の方はどうどすか」

 「昨日、やっと足のギブスを外す事が出来ました」

 「それは、何よりどす」

 「それで、お礼と、退院祝いを兼ねて、食事でもと思い電話差し上げたのですが」

 「何、ご馳走しておくれやすのか」
 「ときさんは何がいいですか」

 「イタリア料理は」
 「えっ、イタリア料理ですか」


 智也は意外だった。てっきり、会席料理か、寿司を予想していたのに、思ってもみない料理名が出て来たからだ。






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