114歳の美女
 約束の時間が来た。


 「遅くなってすみません。出しなに野暮用に引っ掛かってしまって」


 智也は5分ほど遅れて待ち合わせ場所にやって来た。

 「いいえぇ。うちもちょっと前に来た所どす」
 「じゃ、行きましょうか」


 四条河原町の方へ。
 二人が四条大橋の中ほどに来た。


 「この辺りどすか」
 「えっ!?」

 智也は一瞬、戸惑った。




 「飛び下りたのは」



 「も、も、もうちょっと先です」


 智也はここで飛び降りた事を迂闊にも忘れていた。ときの事で頭は満タン。そこまで、頭が回転しなかった。

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