114歳の美女
 二人はその一角にある、イタリアレストラン『ピザと長靴』に入った。

 「何にしますか」

 智也がメニューを見せながらときに言った。


 「イタリアのお好み焼き」
 「ピザですか?」


 「あっそうそう、それどすわ。先日、映画を見ていたら、そのピザとかいうものを食べているシーンが出てきまして。見てたら食べとうなりましてな」


 「例の映画ですか」
 「そうどす」


 (ときの情報源は、もっぱろ極道映画の中にあるらしい。これからも、ますます柄が悪くなりそう。末恐ろしい)

 智也はピザとサラダとビール。ときは同じ物とノンアルコールビールを注文した。

 (ノンアルコールのビールか。なぜ、アルコールを飲まないんだ。またしても、駄目か・・・)

 智也の期待が、また泡と消えた。


 ピザが運ばれて来た。その一切れをときが口の中に入れた。


 「やべえ。死にうま」


 ときがピザの感想をひと言。





 

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