114歳の美女
 吉のはこの頃、ときがしばしば出かけるので、少し気になっていた。


 (結婚話は、あれからどうなったのか。壊れれば、有り難い話だが。もし、進展しているのであれば、断じて容認する訳にはいかない。しのぶを呼んで、確かめる他ないか)


 吉のはしのぶを部屋に呼んだ。


 「ときはんは、この頃よう出かけるようやけど」
 「そうですね」

 「星田とかいう男とは、この頃どうなってるのや」
 「私はよう知りませんけど」


 しのぶは星田から電話があったのを、姑に言おうか、言うまいか、迷っていた。


 「星田からは、電話はないやろな」


 吉のの目が厳しくなった。


 「それが・・・」


 しのぶは星田からの電話を、言わなかった事を後悔した。






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