114歳の美女
 「それが、どうしたんや」


 吉のがさらに問いただした。

 「二度ほど電話がありました」
 「何でもっとはよう言わんのや。それを、聞いているのに」

 「すみません」
 「まさか、ときはんには、取り次いではおらんやろな」

 「それが・・・」
 「取り次いだのか。あほ!あれだけ言うたやないか」

 「すみません。どうしょうか、迷ったのですが・・・」

 「迷ったなら、何で取り次ぐのや。今度からは、絶対に取り次いだらあかんで」

 「わかりました。お義母さん。絶対に取り次ぎません」


 「ときはんには、死んでも子を生ませられへん。その為には、その芽を摘み取るのが、村島家の嫁に与えられた務めどす。この事を、肝に銘じとくのやで」


「ようわかりました。お義母さん」


 しのぶは先日、姑から言われた事をはっきりと思い出していた。

 (ときさんには可愛そうだけど、これからはお義母さんの言い付けを、絶対に守らなくては)

 しのぶは心の中で固く決意をした。


 吉のはときと星田の仲が、一段と進展していると、睨んでいた。


 (芽を摘み取る為には、どんな手を打てばよいのか)


 吉のは真剣に思いを巡らせていた。






 
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