114歳の美女
 デスクの下のゴミ箱を、智也が思い切り蹴飛ばした。


 仕事をしていた職員達の驚いた視線が、一斉に智也に注がれた。

 「すみません。何もないので」

 智也はデスクに向かい、仕事をする振りをした。


 (どうする)


 智也が策を思い巡らした。


 智也が腕時計を見た。
 午後2時5分。

 (今頃、『café昔々』に行ってもいないだろうな。明日にでも行くか)

 智也は逸る気持ちを懸命にねじ伏せた。




 あくる日。

 智也は10時過ぎに市役所を出た。
 黒板には小さく外出と記して。







 
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