114歳の美女
 智也が『café昔々』のガラス戸を入ると、和服姿が見えた。



 ときだ。



 智也の勘が当たっていた。

 智也は窓から石庭を見ている、ときの前の席に腰を下ろした。


 「いつもここですね」
 「あっ、星田はん」


 ときが智也を見て小さく微笑んだ。

 「昨日、電話したのですが」
 「電話を。知りまへんどしたわ」

 「ときさんに繋いでもらえなかったのです」

 「うちに繋がんやて。しのぶはんが出ましたか」

 「ええ。何でも姑からきつく言われていると言われていました」

 「お家はんから・・・。何でやろ」


 ときは少し首を傾げた。






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