114歳の美女
 母親はそれを聞いてうろたえ出した。


 子供は泣くのを止め、回りを見て驚いた目をしている。


 それを見かねて、ときが口を開いた。


 「うちは子供の時、この坂で転んだけど、今も生きてますぇ。ぼんもいい子にしてたら大丈夫どす。けど、親の言う事聞かん悪い子やったら死ぬかもわかりまへん」

 ときが子供の時の話を。

 「わかったな」

 母親がときの話に調子を合わせた。

 「うん」

 子供が周りの目を見て頷いた。

 ときはその場を収めて、またさっさと歩き始めた。


 やっと、目的地に到着。





 
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