114歳の美女
 「お家はん、なんどすか」
 「その包みは何ぇ」
 
 吉のがときに尋ねた。


 「これはうちの・・・」


 ときが困った顔をした。


 「見せなはれ」
 「あっ」 


 吉のがときから包みをもぎ取った。


 (どこで、何をして来たんか。持ち物を見たらすぐにわかる。あてに内緒でこそこそと嫌らしい)


 吉のは包装紙をびりびりと破り、二つの茶碗を箱から取り出した。


 「清水寺に行ってきたんどすか」


 (誰と行ったんや。あの星田とかいう男か。長い年数生きても、男を見る目はさっぱりなんやから。あほ!)


 包装紙の店名を見て、吉のが意地悪そうな顔をした。





 
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