114歳の美女
 (結婚をどうして阻止したらええのんや。ええ手が思い浮ばん。ええい、とことん反対するしかないか)


 吉のはときを睨み付けた。


 「それでは、勝手にさしてもらいます」


 ときが夫婦茶碗を素早く箱に入れ、立ち上がった。そして、それを持って、さっさと二階の自分の部屋に戻って行った。



 ときは智也を『café昔昔』に呼び出した。

 「先日はおおきに」

 ときが智也に礼を述べた。

 「いいえ。何か困った事でも・・・」


 「ええ、先日頂いた夫婦茶碗をお家はんに見つかりまして。そしたら、もうかんかん。結婚を猛反対されまして」


 「やっぱり、そうでしたか。それは、弱りましたね」


 智也が腕組をした。






 
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