114歳の美女
 「ついてるで」


 (今日は大安吉日か。地獄にも休日があるねんな。青鬼は今日は泊まりかも。あての勘やけど・・・)


 吉のが布団の中で物思いにふけっていた。


 (あての思惑通りや。これは、一種の兵糧攻め。米が無くなると、人は草でも食べよる。あっちの飢餓かて同じ。男はどんな女でも見境なく食べよる。元々、男は浮気な生き物。この攻め方なら、いちころや)


 吉のが布団を被ってニンマリと。


 (泊りが続いたら、浮気の兆候。後は、どう料理を・・・。楽しみ。楽しみ。今日は安らかな休日。さあ、はよ寝よ)


 吉のは、すぐに規則正しい寝息を立て出した。
 智也は12時を過ぎても帰って来なかった。


 (今日は帰って来ないかも・・・)


 ときは溜息を付いて布団の中に入った。
 その日、朝になっても智也は帰って来なかった。




 
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