114歳の美女
 伝言をどんな気持ちで花香が読むか、智也には皆目わからなかった。


 広い道に出て、タクシーをと思い、智也がはっと気が付いた。


 今日は土曜日。


 「俺とした事が・・・」


 智也が大きくうな垂れた。

 「今から家に帰るか」

 智也が首を大きく左右に振った。


 「それとも花香のマンションに戻るか」
 

 智也は、また首を左右に振った。


 「どこにも戻りたくない」

 
 智也が小さな声で独り言を呟いた。


 「サウナにでも行って考えるか」


 智也は足取りも重く歩を進めた。





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