114歳の美女
 「ごめんなさいか」


 花香がメモに目を通した。


 「許すか?」


 花香が腕組みをした。


 「それとも・・・」


 智也をどう料理するか、花香は知恵を絞って考えた。


 「1週間以内に店に来たら、許したろ」
 「来なかったら。その時は覚えときや」


 花香はメモをゴミ箱に捨てようと丸めかかったが、思い直した。


 捨てると縁まで捨てる。
 花香はこの縁を捨てるのを、少し惜しいと思い始めていた。





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