114歳の美女
 「赤丸と午前様が増えたら、浮気のサインどす。あてが次の手を打つ時が、近付いていると思いなはれ」


 「さすが、お義母さん、伊達に歳を取っていませんね」

 しのぶは吉のが頼もしく思えた。


 「何しろ、暇やから。うはあはははっは」


 吉のが得意な顔をして笑った。


 「お義母さん、地獄の解放も近いですね」
 「それを楽しみに、あんたも気張りなはれ」


 二人は見詰め合って、顔をほころばせた。


 吉のは用件を言い終わると、足早に帰って行った。

 希望が広がり、しのぶの表情も不思議な位に明るかった。





 
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