114歳の美女
 しのぶはその夜、真ん中の布団の中で、眠ろうか、否か、迷っていた。

 (遅いな。今日は赤丸かな)

 しのぶは隣のときを盗み見た。ときは布団の中に入っていたが、天井を見上げながら、悶々としている様子だった。


 (泊りが続けば、お義母さんは動く。どう動くのか)


 しのぶは義母の動きに、格別の興味を持っていた。


 (川の字で寝るのも、後わずかかも。嬉しい!でも、ときさんには、悪い事をした。新婚で、今が一番楽しい時なのに。ごめんね。恨まないでね。これも、あなたの事を真に思う、あなたのお母さんの意思だから・・・)


 しのぶはときの方に向って、心の中で「ごめんね」と言うと、眠りに就いた。



 吉のと交代する金曜日が来た。


 地獄と天国の間。
 今週に対する、しのぶの感想だった。





 
< 218 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop