114歳の美女
 吉のはしのぶの後ろ姿を見送りながら、一つ大息を付いた。


 「よっしゃ。仕上げは御覧じろ。うふうふ、うふ・・・」


 吉のは決戦に挑む侍のように、武者震いをした。



 ときは部屋で新聞をを読んでいた。そこへ、例の物を持って、吉のが現れた。


 「ちょっと、ええか」

 吉のがときに声を掛けた。

 「何どすか。お家はん」

 吉のが座布団を取って、ときの前に座った。


 「見せたい物があるんやけど」
 「何どすか」

 見せたい物とは何か、ときが吉のに尋ねた。


 「これや」


 吉のが例の物をときに渡した。ときが封筒に印刷された文字に目を留めた。








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