114歳の美女
 「洛洛興信所?」


 不審に思いながら、ときが封筒の中から写真と報告書を取り出した。


 まず、写真を。


 一枚目を見て、ときの顔色が変わった。

 「お家はん、これ・・・」

 二枚目。三枚目。四枚目。五枚目。
 続け様に、ときが写真を素早く見た。


 「調べはったんどすか・・・」


 ときが報告書にも目を通した。


 「堪忍やで。最近、亭主の泊りが多いので、もしやと思てな」
 「ひど過ぎる」


 吉のは、ときの言葉が自分に対しての言葉だと錯覚した。


 「悪かった。この通りやで」


 吉のは両手を合わせて頭を深々と下げた。





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