114歳の美女
 「あほんだら。ぶっ飛ばすぞ」


 怒るとときは、極道映画に出てくるやくざ者になっていた。


 「こんな写真なんか」


 ときが写真の一枚を破ろうと、両指で写真を摑んだ。


 「待たんかい」


 ときが自分に急ブレーキを掛けた。


 「証拠を破ってどないすんねん・・・。それも、そや」


 ときが写真を破るのを思い止まった。ブレーキが掛かった事で、ときの気持ちも、若干静まって来た。


 「おんどれ・・・。あっ、汚い言葉はいかん。いかん。この落とし前はきっちりつけさして・・・あっ、いかんかった。もらいますぇ」


 ときの噴火が少しずつ、少しずつ、収まって来た。






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