114歳の美女
 智也が夜遅く帰って来た。酒をしこたま飲んで。


 智也が端の布団の中に潜り込もうとした。


 「ワレ、待たんかい。いや、待って」

 ときが智也に声を掛けた。


 「寝かしてくれ」
 「これを見てから、寝てんか」

 「・・・何や。これ」
 「浮気の証拠どす」


 「う、う、浮気の証拠。お前、調べたんか」


 智也のとろんとした目が、浮気と言った途端に、大きく見開いた。


 「覚悟は出来てるんか」


 ときが凄みをきかせて智也に言った。


 「何の覚悟や」



 「離婚どす」



 「えええっ、離婚!」


 智也は必死に報告書の中身を吟味した。









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