114歳の美女
 「星田です。ときをお願いします。胃が痛くて入院する事になったので」


 智也は電話を切られるのを想定して、早口で言った。


 しのぶは入院すると聞いて少し考えてから、ときに電話を繋いでくれた。

 「何どすか」

 ときが無愛想に。

 「胃の痛みで、3日間。検査入院する事になった。それで、一時休戦にしてもらえないかと思って」

 「一時休戦。厚かましい。うちの方は、あんたとは離婚が決定どす。あんたが離婚届を出さんのは勝手。うちには、もう関係ない事どす」


 (裏切ったのは、お前や。うちは死んでも許さへん)


 ときは智也を冷たく突き放した。







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