114歳の美女
 「女将は、いまお幾つですか」


 ときが花香に尋ねた。


 「私どすか。44歳どす」


 花香が怪訝な顔をして答えた。

 「そちらは」
 「うちは119歳どす」

 ときが澄ました顔をして答えた。


 「また、ご冗談を」
 「ほんまどす。証拠を見せまひょか」


 ときがバッグの中から、運転免許書を見せた。


 「明治××年2月生まれ」


 花香が酒を出すのも忘れ、運転免許書の写真と、ときを見比べた。






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