114歳の美女
 「次、会った時は必ず撮りますので、勘弁して下さい」
 「仕方ないな。その時まで待つか」
 
 「その代わり美人に撮って来ますから」
 「美人?明治2×年生まれは美人なのか」
 

 「ええ、飛び切りの美人です」
 

 「114歳が20代に見える飛び切りの美人か。わしも拝みたかったな」
 

 古田は女好きらしく、美人と言う言葉に敏感に反応した。
 
 「そやけど・・・」
 
 その後の言葉を出さず、古田は何か考え事をしている。
 
 「課長、何か疑問の点でもありますか」
 「そんな事が実際に起こるかな」

 「そんな事」


 「114歳まで生存する。それは、あるかもしれん。しかしやな。114歳が老人ではなく、20代で生存する。これは、無い。実際には、あり得ない話とは思わんか」


 「確かにそうですね。でも、家族の者はとき本人に間違い無いと証明していますよね」


 「家族の者の証言は当てにはならん。わしの推測はな・・・。つまりやな。すり替えと違うか」



 「えっ、すり替え」



 智也は心底驚いた。






< 32 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop