114歳の美女
清二は自分の勘を確信した。そして、近くの交番に急ぎ足で向った。
交番には、一人の警察官が駐在していた。
清二は手短に経緯を警察官に話した。そして、警察官と共に先程の家へ。
ドンドンドン。
「吉野さん」
ドンドンドン。
「吉野さ~ん」
「そないに叩かんでも今出ますよって」
中から、老婆の声がした。
ガラガラガラ。
あっ!
格子戸を開けた女の顔が、驚でひきつっている。
先程来た民生委員の隣に、警察官が並んで立っていたからだ。
女はわなわなと崩れ落ちた。
「すんまへん」
「すんまへん」
老婆は両手で顔を押さえ、わんわんと泣き始めた。