114歳の美女
 「その位にしておくれやす」

 ときが両手を広げて撮影を拒んだ。

 「ああっ、すみません。つい夢中になってしまって」

 智也がときに謝った。そして、ときのいる橋の中程まで歩いて行った。


 「僕、写真を撮っていて、決心しました」
 「何を決心したんどすか」




 「とき奴姐さん、僕に身請けさせて下さい」



 「・・・」


 「必ず幸せにしてみせますから」
 「それって、プロポーズどすか」

 「はい、そのつもりです」
 「いややわあ。いきなり、こんな所で、身請けやて・・・」



 ときは、ほんのり頬を紅潮させている。





 
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