かくれんぼ、しよ?
マコトも振り向いて、ミクの方を見る。
「物騒といえば、さっきお家に帰ったとき、ニュースで霞駅の交番で拳銃が盗まれたって言ってたよ!」
「え!?マジかよ!」
霞駅といえば、この夕霧山からそう遠くない、おれの家とここの中間程度――ミクの家の近くにある小さい駅だ。
……もしかして、やばいんじゃないか。
ここから場所が近いってことも、犯人に遭遇しそうで恐いが、それに加えて、霞駅の交番は――
「……その交番って、ユウイチのお父さんの働いてるところじゃ……」
「……ああ、そうだな」
「あ、たしかにそうだよね!……ユウイチくんのお父さん、大丈夫かな?」
「処分とか、あるかもな……」
ああ、やっぱり早く帰りたいかも。親父のことが心配だ。
「ユウイチ、帰っても大丈夫だぞ?」
マコトの言葉に、心が揺らぐ。
しかし、おれが帰るとしてもミクは吉越さんを探すと言うだろうから二人は捜索を続けるだろうし、親父よりこっちの方が心配だ。
「……いや、大丈夫。早く探すぞ、吉越さん」
マコトもおれの心境を察したのか、そうか、と頷いて、先へと歩みを進めた。