かくれんぼ、しよ?
「あ……」
苦しそうな声が、口から漏れた。
ユウイチが、腹部を押さえて体を前に傾けている。
おれは、ユウイチに銃口を向けたまま、その様子を見つめている。
「ま、マコト、よくも……!」
ユウイチが喋ると、押さえている腹部から血液がポタポタと垂れた。
……自殺なんて、してたまるか。
おれだって、少し――ほんの少し、勇気を持つことくらい許されるはずだ。
「サツキ……さん、どうしておれを狙うんだ?」
「……お前が一番、旨そうだからだ」
ユウイチは、辛そうに顔を歪めながらも、口角を上げた。
そんな理由なら、どうしようもできない。
逃げるしかないじゃないか。
……もう、銃弾はない。おれに戦える手段はない。
ユウイチは、立っていられないようで、その場に膝をついた。
この状態では追っては来られないだろう……そう判断し、背を向けて、ヤケになって走り出した。
――しかしそれはとんだ判断ミス。
数メートル離れたところで、すぐにそれを思い知った。
「おとなしく、食われてくれよ」
耳元で、ユウイチが囁いた。