かくれんぼ、しよ?





「ミヅキ、どこにいたんだ」


「遊びに行ってたの」


遊びって……村がおかしくなってからのミヅキは、どこか変だ。



おれたちが生きていた頃は、勝手にどこかに行ったり、一日中帰ってこなかったりはしなかった。


そもそも、おれ自身は生きていた頃と変わらないのに、ミヅキは突然消えたり現れたりできることが、まずおかしいのだが。


……しかし、村がこんな状態だ。ミヅキはサツキに襲われることもないし、あまり気にしてはいなかった。



「ミヅキ、こいつが何故死んだか知っているか?」


ミヅキは、首を傾げる。


……なんだ、ずっとここにいたわけではないのか。



「おにいちゃん、死んじゃったの?」


「……ああ」



そういえばユウイチは、ミヅキと遊んだと言っていた。


……ミヅキにとって、こいつは、大切な存在だったかもしれない。


心にもやがかかったように感じる。



「悪かった、ミヅキ……」


不意に、そんな言葉を零した。


ユウイチはおれが殺したわけではない。


だが、ミヅキに大切に思われていたその姿が、サツキと重なって見えた。



「どうして謝るの?」


「いや――」


ミヅキからしてみれば、そう思うのが当たり前だ。


おれがサツキを殺したことも、ユウイチを殺そうとしていたことも、知らない。


無垢で純粋なこころの、ミヅキ。



生きているときに、守りきりたかった。


……おれが悪いことは、わかっている。


おれがサツキを殺したことで、ミヅキの人生を狂わせた挙句、幼い命を落とさせてしまった。


おれが、唯一……いや、サツキと同じくらい、大切に思っていた、ミヅキ。



「どうしたの?」


微笑む顔に、サツキの面影が見えた。





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