かくれんぼ、しよ?
ミクは、あまりに真剣な眼差しだった。
止めたところで聞かないだろうと予感させるほどに。
「マコトくんは、先に帰ってて?」
「いや、そんな……」
ミクを止める言葉が、出てこない。
もし、ユウイチだったら――無理にでも、引きずってでも止めるだろうと、マコトの頭に光景が浮かぶ。
「……ダメだ。ミク、一緒に帰ろう」
マコトは、頭の中のユウイチに習い、なんとか言葉を吐き出した。
ミクの手を引き、歩いてきた道へと踏み出そうとする。
しかし、その手はミクに振り払われた。
「ごめん、わたし、帰れない……ユウイチくんとコロちゃん、探さなきゃ」
「無理に決まって――」
ミクは、片手をマコトの口に押し当て、言葉を遮った。
「わたしは、大丈夫、だからさ?」
ミクは、へらり、と、下手くそな作り笑いをした。