かくれんぼ、しよ?
◇◇◇ミク
「んー……コロちゃん、くすぐったいよ……」
ふわふわとしたまどろみの中、頬に何かが触れた感覚でぼんやりと目を覚ました。
瞳に映るのは知らない天井、それと――
「おう、起きたか」
「わぁっ!」
見知らぬ男の人。……頬に触れたのは、コロちゃんじゃなかったのか。
その人が、わたしの頬に濡れたタオルを当てていたみたい。
「こ、こここんにちは!?」
びっくりして、声が裏返る。この人、誰だろう?
白衣を着ているから……お医者さんかな。
「……おかしなやつだな。起きたなら自分でやれ」
そういうとその人は、持っていたタオルをわたしに向かって放り投げながら、私のそばから立ち上がった。
「えーと……」
取りそこねたタオルを座ったまま拾いながら、辺りを見回してみる。
古そうな部屋の中。電気はなく、ろうそくの灯りが部屋を照らしている。
わたしはベッドの上で寝てたみたい。
どういう状況なのかいまいちわからず、それにこのタオルもどうしたらいいかわからない。
迷っていたら、男の人が振り向いた。
「ほらよ」
そう言ってわたしに差し出したのは、手鏡?
それを言われるまま受け取って、覗き込んでみた。
……絶句。