かくれんぼ、しよ?
黙ったまま私の顔をじっと見つめるその人は、固い表情で、何を考えているのかわからない。
先程からの淡々とした口調といい、なんだか少し――こわい。
「……まあ、何も見ていないと言えば嘘だろうな」
やはり発される言葉は一本調子だ。
しかしその人は意外にも、そう言った後、にやりと口角を上げた。
「もう少し、色気のある下着をつけたらどうだ?」
「え……あっ!」
自分が今身に着けている下着を思い出した。……白とピンクの、ウサギ柄。
思わず、布団から出ている上半身の胸のあたりをがばっと覆った。
……服を着ているから、見えてるわけじゃないけど。
顔が熱くなるのを感じながら、恥ずかしさに俯きつつ、その人を見る。
いつの間にか背を向けて、この部屋から出ていってしまっていた。
「はあ……」
下着を見られてしまうとは、不覚。男の人に見られるなんて……今までそんなことなかったのに。
……それにしてもこれは、どういう状況なんだろう。
なんでわたしは知らないベッドで寝てたのかな?
そもそも、いつ寝たんだっけ?
必死に記憶を引きずり出そうとして――
「あ……」