かくれんぼ、しよ?





ふっ、と、目を背けたくなるような光景が、フラッシュバックした。


ユウイチくんを追ってきて、知らない道を歩いてて、それで――ゾンビに襲われたんだ。


思い出さない方がいい……そんな本能も無視して頭に浮かぶ、ただでさえ見るのをためらうそのゾンビの、潰れる瞬間の様子。


頭の中では目を背けることも叶わない、その光景。


思わず嗚咽しそうになり、口を押さえた。


しかし、それに続いて、意識が途切れる寸前の、こちらを見下ろす人影を思い出した。



……きっと、さっきの人だ。


助けてくれて、わたしが寝ている間に色々してくれたんだ。


戻ってきたら、お礼を言おう。


そう思ったとき、セーラー服を持ったその人が、部屋に戻ってきた。



「あの、ありがとうございました!」


「なんだ、思い出したのか」


その人は、セーラー服を乱雑にわたしの方に放り投げた。


「あっ、はい……助けてくれたんですよね?」


「……まあ、そう言えばそうだな」


なんか曖昧な物言い。そうならそうだって言えばいいのに。


「あのー、助けてくれたついでに聞きたいんですけど!わたし、同級生の男の子と、女の子を探してて……あ、男の子は二人なんですけど、わかりませんか?」


そう、ユウイチくんを追ってきたけど、もともと、ミユキちゃんを探してたんだもんね。マコトくんも来たかもしれないし。


「あー、女と……男が二人?そいつらと一緒にこの村に来たのか?」


男の人は、腕組みをしながら、少し、眉をしかめている。


「みんな、一緒に来たわけじゃないんですけど……男の子と一緒に夕霧山で女の子を探してて、男の子の片方がどっか行っちゃって、その子を探して注連縄をくぐったらこの……村?に来て、えーと、もう一人の男の子はわたしを追ってきたかもしれなくて……」


男の人の表情は変わらず、何かを考え込んでいるよう……にも見えるし、怒っているようにも見える。


……わたしの説明が、下手だったからかな。



「つまり、その二人……いや、三人とも、この村にいるかはわからないんだな」


「そうです!」


みんな一緒には来てないから――あ、一緒といえば……



「コロちゃん!」







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