かくれんぼ、しよ?





さっきの部屋に入り、二人で並んでベッドに腰掛けた。


わたしが抱いていれば、ミユキちゃんはコロちゃんのことは大丈夫みたい。


……コロちゃんに視線を送るミユキちゃんは、少し、腰が引けてるけど。


うーん、とりあえず、何から話そうかな。


そう思った時――


「ところで、ミクちゃんはどうやってここに来たの?」


よくわからないことをずっと話していたミユキちゃんが、わたしにとっても意味のある話題に触れてくれた。



「うーんとね、まず、わたしたちミユキちゃんを探しに来たんだよ!」


「え、ほんとに?」


「うん、それで、色々あったんだけど注連縄をくぐったら、この、村?に来ちゃったみたいで」


「なーんだ、そういうことかあ」


なーんだ、って、ミユキちゃんを探しに来たって言ってるのに、そんなこと言わなくても……。


心底つまらなそうな表情を浮かべるミユキちゃんに少しムッとしたけど、愛想笑いでごまかしておいた。



「ミユキちゃんは、なんでこんなところに来ちゃったの?」


「こんなところって!あたしは、来たくてここに来たんだよ!」


「え……自分から?」



どういうことか、全然理解できなかった。


ミユキちゃんは、注連縄をくぐったらこの村に来られることを知っていて、わざとこんなこわいところに来たの?


「あたし、趣味でオカルト研究をしててね!仲間二人と一緒に来たんだけど、二人とははぐれちゃった。けど、ほんとにこの村があったなんて、すっごく嬉しいんだー!」


そう言ってミユキちゃんは嬉しそうに笑うけど、わたしにはわからない。


「……この村のこと、知ってたの?」


そう訊くと、ミユキちゃんは、よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに、怪しい笑みをニヤリと浮かべた。





「――ここは、『地図から消えた村』」





「……え?」


「知りたい?この村にまつわる、昔話」


変わらず不敵に笑うミユキちゃんに、わたしはゆっくりと頷いて見せた。




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