かくれんぼ、しよ?
山に入ると、木々があるぶん辺りは思ったより暗く、不気味な感じがしていた。
「なんか、思ったより暗いな……」
マコトが懐中電灯を持ち、足元を照らす。
若干踏みならされた通り道はあるが、よく見るとぬかるんでいるところもあるし、少し危険そうだ。
「危ねーな。二人とも転ぶなよ」
マコトの大荷物を馬鹿だと思ったけど、おれが山をナメていただけかもしれない。
「わー、こわいね!あ、おっと!」
「あ、おい!」
転ぶなと言った途端にすっ転びかけたミクを、おれとマコトが同時に手を出し支えようとした。
ミクは近くにいたおれの手を掴み、なんとか泥まみれになることを回避する。
「……さっすが、ユウイチ。ミク、気をつけてね」
マコトが先頭で足元を照らしながら、おれたちは山の奥へと進んでいく。
奥へ奥へと進むにつれて、辺りは不気味さを増していった。なんだか霧がかかっていて視界も悪い。
「なんか、思ったより、こわくね?」
「たしかに……ほんとに鬼でも出そうだな」
「マコトくん、物騒なこと言わないでよー!……あ、そういえば!」
ミクが突然大きな声を出すから、びっくりして歩みを止めた。