可愛く見られたくて・・・
目が見えないだけで

今までの世界とは全然違う…


小学生の頃、友達と遊びで目を瞑って歩いてたな

20年間もの間お世話になっていた道

昔なら簡単に歩けてた道が

今は一歩進むのが怖い…


見えない世界は私にとって凶器化していた


私は自分が思っていたより現実は過酷なことを

思い知らされた


私が家に帰っていると

丁度、母親が買い物から帰ってきていた


「麻美!

 一人で外なんか出て危ないじゃない!」


母親は心配そうな声で麻美に急いで駆け寄ってきたのが分かった


「お母さん…

 ちょっと歩く練習してただけ。

 私なら大丈夫だから!」


無理やり笑った顔が

とても切なかった
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