赤ずきん様とオオカミさん
第?章
赤ずきんな私
“赤ずきん”
誰しも一度は聞いたことがあるだろう。
ただの童話としか思っていない人がほとんどだが、私の家、赤鈴家は代々赤ずきんの血を引き継いでいるのだ。
私たちの先祖、赤ずきんは動物たちをも魅了する美貌に、透き通るような声を持っていた。
童話では、狼が悪者のように扱われているが、本当は違う。
最初は、食べる気で赤ずきんに近づいた狼だが、赤ずきんを知るうちに恋に落ちてしまうのだ。