赤ずきん様とオオカミさん
「この心配性め。こんなの付けて歩かないでよ?」
花びらを私の唇を隠すように見せる。
私が笑うと、大神は照れくさそうに笑った。
あぁ、もう。
君の笑顔は何よりも綺麗で、私を虜にする。
心配性の母様にそっくりで、私が母様を好きなように大神のことも好きで。
その好きは何の好きか、など知らないけど、大切なのにかわりなし。
「バカ...」
私は、なんの言葉の代わりにこの言葉を発したか分からない。