赤ずきん様とオオカミさん
「柚希ちゃん、食事の準備できたよ」
ガチャ、という扉の音と共にひょこりと出てきた黒髪の彼。
なんてナイスタイミングなのだろうか。
彼こと、大神祐樹。
私の自慢のボディーガードだ。
私専属の執事も一時期いたが、私があまりにも大神の方が優秀だからクビにしてしまった。
この流れで大神ときたらまさか、なんて考えた人もいるかも知れないが、これはたまたまだ。
狼が人間を産むことやその逆もあり得ない。