赤ずきん様とオオカミさん
全てを絡め取るようなキス。
それはまるで、私のことを消毒してくれてるみたいな。
嫌じゃない。
最初に思ったことだ。
さっきの男たちとは違う、優しいキス。
ちゅ、と音を立て、大神は離れた。
名残惜しいなんて、私はなんてバカなことを。
「俺が、俺が遅かったから柚希ちゃん...。辛かったよね、ごめんね。」
何をそんな病むことがあるのか。
大神はちゃんと来てくれているじゃないか。
それだけで、嬉しいのに。
悲しい顔しないでよ。
いつもみたいに笑ってよ。